ヒストリカルフィギュアおよびポリストーンについて
"ヒストリカルフィギュアとは=歴史そのものである"
歴史的人物を精巧に再現した立体像のことをいいます。
中世ヨーロッパの王侯貴族に広がったこのアイテムは、
教養ある大人たちのコレクション”King of Hobby(キングオブホビー)”として欧米で広く人気を得ています。
"甲冑専門家の開発協力"
本シリーズは専門家の監修ご協力を得て、甲冑・装束にいたるまで正確に再現しております。
鎧の制作・修復事業で得られた正確な鎧の知識・資料をもとに精巧に造形化しております。
何故ヨーロッパで人気が広まったのか?
何故中世ヨーロッパの王侯貴族に広がったのか。それはイギリスの貴族階級にありました。武士階級を失ってしまった日本と違い、今も色濃く残るイギリスの貴族階級では広大な土地を所有し、労働せず裕福な暮らしを送り、庶民にその生活を支援してもらっていました。
しかし、兵を挙げ戦が必要な時は指揮官として戦場に赴き、命を賭して最後まで戦います。実際、歴代の貴族は全員戦地に出陣している歴史があります。
普段は庶民に生活を支援して貰っている貴族ですが、いざという時は第一線で戦い時として自軍全ての兵士を逃がすために最後まで残ることもありました。そのため、市民を守る指揮官として出陣する彼らには、教養として戦術を学んでいる背景がありました。
戦がない間は、悠々自適に暮らし時には本を読んだりゴルフをしたり等と娯楽に興じていました。そして、その中に「ヒストリカルフィギュア」という遊びがあったのです。
歴史の偉人たちを再現した立体像(=駒)を使用して
かつての名将がどう戦ったのか、自分ならどう攻めたか?
ストラテジー(戦術)を勉強していた貴族はヒストリカルフィギュアを通して戦を再現し、
シミュレーションして遊んでいました。また、偉人の戦をシミュレーションすることで自分たちの歴史をプレイしていたのです。
広大な土地を所有しているためヒストリカルフィギュアのためのプレイルームまで用意し、戦場そのものを再現しました。
また美術に対しても関心が高かった貴族たちは自らヒストリカルフィギュアの組み立てやペイントまで行うなど、非常に熱量がありました。
貴族階級でしか出来ない遊びであり、戦術や歴史的人物の知識など教養ある者にしかプレイすることのできないヒストリカルフィギュアは、まさに”King of Hobby(キングオブホビー)”の名に相応しいアイテムでした。
日本にも武士階級が存在していましたが、残念ながら明治時代に廃止され貴族における「騎士道」、
武士に置き換えるのであれば「武士道」が失われその精神がなくなってしまったため、日本では普及しませんでした。
ヒストリカルフィギュアを取り扱うお店は現在も日本にいくつか存在しますが、
欧米と比べ認知度も低く、未だその存在を知らない人が多くいます。
(株)謙信は日本のヒストリカルフィギュアの普及(言葉・製品・文化)と浸透を目指し、
2007年より日本で初めて史実や甲冑装束の裏付けのもと、本物のヒストリカルフィギュアを開発・提供しています。
ヒストリカルフィギュアの研究・開発
開発協力・監修/甲冑師 三浦公法氏(日本甲冑武具研究保存会 顧問)
1967年 日本甲冑武具研究保存会に入会
1969年 日本甲冑武具研究保存会より推薦甲冑師の指定授与。
1975年 英国ロンドン塔王室武具館所蔵、徳川家康より英国王ジェームス一世に贈られた
日本の甲冑の修理復元を受け、完成し同館に引き渡す。
2008年 板橋区無形文化財に認定
2016年 (戦国期)当世具足の世界的な第一人者としてボストン美術館の甲冑修復を行うなど現在も活躍中
戦国武将が当時どのような甲冑装束を身に着けたのか、謙信では戦国時代の鎧(当世具足=とうせいぐそく)の日本で唯一の専門家で甲冑師の、三浦公法氏に開発協力をいただいています。
謙信は、日本の鎧づくりを後世に伝えるため、甲冑の制作技法の保存、普及にも努めています。このような活動が認められ、平成13年に、埼玉県・経営革新事業にも認定されました。
開発資料参考例:織田信長
「紀州東照宮蔵・徳川家康伝来の南蛮胴具足」
徳川家康伝来として紀州東照宮に残る「南蛮胴具足」は、織田信長から拝受した物だった――?
織田信長と同時代を生きた徳川家康は、信長の同盟主。功労への褒美として、戦国大名は鎧や茶器を与えることが多々あった。外国からもたらされる南蛮鎧は数少なく、また初めに南蛮人と積極的交流を持ったのが信長であったことから、信長から家康が拝受した可能性は高いといえます。文献にも信長が南蛮甲冑を身に着けた記述が残っており、資料少ない信長でも文献や同時代の物品から当時の姿をたどることは可能です。
歴史考証の為に、甲冑師・三浦公法氏に開発協力を依頼。1/4サイズの精巧な南蛮胴具足(織田信長が装着したと伝わる西欧鎧)を複製制作。
(株)謙信では開発資料を基に1/4スケールに縮小再現した鎧を複製制作し、これら細密な鎧資料を基に、ヒストリカルフィギュアを開発しています。本物の資料に基づき、大人のためのコレクションアイテムとして同シリーズを展開しております。
謙信工房の巧み
【職人の技の結晶】
2015年、株式会社謙信は高品質な造形をつくることに特化した少人数精鋭の造形工房「謙信工房」を設立しました。海野宗伯の厳密な指揮のもと、謙信工房では職人の手仕事で伊達武将像を少量限定制作でお届けいたします。正確な鎧、人物像の制作には、高度な技術が必要となり、成型から彩色仕上げまでそのすべてが宗伯の指示に基づく熟練した職人たちの『技の結晶』です。
【仕様素材】
ポリストーン(合成樹脂/石粉)
人工石とも呼ばれるポリストーンは、欧米で美術品・室内装飾品に用いられる素材。重さや質感は石に似ており堅牢で、熱変形に強く、長期にわたり保存性・形状維持に優れている。当社では、流動性の高い最高品質の素材を用いて制作をおこなっている。これにより、鎧の細部の造形まで、精巧な再現が可能となる。最高品質の素材を使用。
ポリストーンについて
”ポリストーンとは”
人工石とも呼ばれるポリストーンは、樹脂に高い比率で石粉を合成した素材で、
欧米では 美術品や立体像によく用いられ、硬化した重さ・質感はとても石に似ており堅牢です。
劣化等に強い反面、衝撃に弱い材質のため、お取扱いに注意する点がいくつかございます。
注意点やポリストーンについての特徴を記載しておりますので、是非ご一読下さい。
精密な造形品ですので、輸送時の衝撃にも耐えうる落下テストを徹底して自社で行い、
安心してお客様のお手元に届けられますよう当社では取り組んでいます。
ポリストーンの特徴
① 高級感のある重さ
ポリストーンはPVC(プラスチック素材の一種)フィギュア等と比べ、
ずっしりとした重みがあり、石像のような高級感のある重量を持つ材質です。
② 細かな造形が可能
高級な美術工芸品にも使われることのある材質であり、細かい造形表現に優れています。
③ 劣化にしくい
PVC製品は経年劣化が大きく、購入後 彩色の退色や形状の劣化が激しい一面があります。
ポリストーンは熱変形に強く、退色もしにくいため長くその美しさを保つことができます。
長期にわたり保存性、形状維持に優れています。
④ 再現性の高さ
ポリストーンを流す金型はシリコーン製で、型が柔らかくしなるため複雑な形状でも型抜きがしやすく、細部の造形表現まで再現することができます。
PVC等は金型で作られるため、その固い型とかみ合うような形状の造形は取り外しが困難であるため、細やかな造形の再現をする事が出来ません。そのため、PVCフィギュア等とポリストーンフィギュアでは造形表現に大きな差が生まれます。
⑤ 他の材質と比べて高価である
ポリストーンはシリコーン型で作るため、複雑で細かい形状の再現が可能ですが、反面、柔らかく何度も型抜きの作業を行っていると、金型とは違い、物によっては10個ほどの生産でシリコーン型が壊れてしまいます。
壊れたら再度一からシリコーン型を作り直すため、破損しにくい金型を使用するPVC製品等と比べて生産コストが高くなり結果高価な製品となりますが、その分精度が高く、金型では再現できない製品を生産する事ができます。
金型の場合、シリコーン型と違い曲げ伸ばしなどが出来ないため、複雑な造形・型とかみ合う造形だと型抜きが不可能。(そのため表現に大きな差が生まれます)